静まり返る道場の門が開かれた。淀んだ空気に巻き上げられた埃が、陽射しの中を漂う。その中には、道場を見ながら物思いに耽る淵武がいた。
淵武のストーリー
淵武は「雷煌拳」に精通した拳術家である。無駄のない手捌きと拳を振るう度に放たれる青い雷光は、まさに彼の代名詞と言えるだろう。彼の拳術からは、いつも相手を蹂躙する野性的な美しさが感じられる。
若い頃の淵武は、力を追い求めることだけに尽力し、固執してきた。狂乱する雷電で相手を撃ち抜くことを、心のどこかで楽しんでいたのだ。結果として、そのことが相手に利用され、彼は故郷を離れる以外の選択肢を失った。
長い旅は、淵武の拳だけではなく、彼の心をも磨いた彼を雷煌拳の神髄へと迫らせた。彼が会得したもの、それは緩急をつけた拳の振るい方である。拳術家の因縁は、いつもリングの上から始まり、リングの上で終わる。決着をつけるべく、彼は仇とリングの上で再会した。それは彼の生涯の山場とも言える。
観客席まで照らす雷光が再びかの地に降臨した。仇の手甲を破壊した彼の拳は精確に寸止めしている。つまり、その瞬間こそ彼が雷煌拳のすべてを会得した時点。破壊された手甲の中に仕組まれた機関が剥き出しになり、相手の言葉は嘘と誹謗だったと証明された。
復讐を終えた拳術家としての彼の話はここまでとしよう。これからは道場主としての彼について話そう。
道場の門前には、来てくれたお客さん一人一人にいつも優しい笑顔で「淵武道場へようこそ」と挨拶をする道場主の姿がある。
落ち着いた雰囲気のスタイリッシュな美中年
落ち着いた雰囲気が漂うスタイリッシュな中年紳士、これが今の淵武だ。
濃い色のコートは白い礼帽のコントラストをなし、配色も落ち着いた雰囲気と謙虚な人柄を強調している。内に着用しているベストは鍛えられた体のラインを強調し、差し色として点在する紺色は彼が操る青い「雷」を示す。
優しくて人当たりのいいおじさんと周りから評判されているが、それは「非戦闘時」に限る。戦闘に入ると、温厚な顔つきが豹変し、疾風迅雷の拳で相手の動きを一瞬で封じる。暴力を以て問題を処理することは嫌っているが、やむを得ずそうなってしまった場合、彼は全力を出して最速の解決を目指す。
生徒に力を尽す指導者
淵武道場において、生徒は皆平等に淵武からの指導を受ける。
体を鍛えようとする者、拳で名を轟かせようとする者、流行に乗り拳術をちょっと体験しようとする者。どんな人であっても、淵武はいつも客の目的と素養に合わせた拳術とトレーニングプログラムを勧める。
トレーニングを終えた後のお茶は、客が淵武道場を選ぶ理由の1つである。すべてのお茶の配合は淵武が考案したものであり、激しい運動によって生じた筋肉痛を緩和させる。思い切って体を動かした後に、淵武特製のお茶を飲む。それは淵武道場でしか体験できない爽快感だ。
淵武の健康法
淵武はよく六羨茶屋の金鈴子茶を飲む。それは常連客のみぞ知る茶屋の裏メニュー、その苦さも値段ゆえに一般人はあまり見向きしない。淵武はそれを一気に飲み干しても表情が動じない唯一の人だという噂もある。
また、淵武が保温水筒を持ち歩く姿がしばしば目撃されている。水筒の中身こそが彼の健康法の秘訣だとも言われているが、残念ながら中に入っているものは何の変哲もないただの白湯だ。
淵武の戦い方
戦闘においても、淵武の落ち着いた対応が期待できる。雷電の力を運用して他のメンバーに有益なバフを提供しながら、自身も拳術で戦う。いざとなれば、淵武はダメージディーラーの役割を担い、雷光を纏わせた拳で敵を砕く。
通常攻撃
優れた拳術家である淵武の体捌きはただものではない。通常攻撃にも合計5種類の型がある。
紳士として、戦う前にはきちんと礼を尽くす。通常攻撃にもそれを反映するために脱帽する動きを入れている。
共鳴スキル
「電導」のエナジーを駆使し、周囲に電気フィールドを発生させる雷の柱を生成する。
電気フィールド内で淵武や他のメンバーが敵にダメージを与えるたびに、雷の柱からも同じ敵に対して「電導」属性の協同攻撃が発生する。
同時に、雷の柱は淵武の固有ゲージを溜めることができる。雷の柱による協同攻撃が発生するたびに、さらに追加で固有ゲージが溜まる。
共鳴回路
固有ゲージが満タンになった状態で、共鳴スキルを長押しで使うと、固有ゲージをリセットさせ自身を強化形態に切り替えることができる。
強化形態では、淵武のコンボがより中断されにくくなる(中断耐性アップ)。
同時に、淵武の動きが満遍なく強化される。また通常攻撃のエフェクトが変化し、攻撃範囲も広くなる。重撃およびジャスト回避・パリィ成功時には「電導」属性のダメージが追加される。
共鳴解放
暗い青色の雷電が淵武の拳に集い、疾風迅雷の攻撃を放つ。狂乱する界雷により、前方広範囲の敵は2ヒットのダメージを受ける。同時に、奔騰する雷電により、全メンバーに中断耐性アップの効果が付与される。
暴れる雷電は相手を貫くことができるが、その反動で自身も火傷を負う。だからこそ、淵武は節度ある力の使い方が、長く力を保有できる道だと気づいた。
もちろん、これはあくまでも彼の個人的見解にすぎない。「どうすればいいのか」と彼に真剣に聞いても、彼はただ茶器に熱湯を注ぎ、あなたを落ち着かせ、「さあ、お茶でも飲んで。それから自分の状況に合わせて心に従えばいい」と返事するだけだ。